少し前に、偽装だなんだで注目を浴びた消費期限。
『期限』なんて付けるから、この日をたとえ一日でも過ぎたら、
もうダメっ、と、捨ててしまう人がいるそうだ。
なんともったいない。
捨てるのは、とりあえず食べてみて、おなかが痛くなってからでいいではないか。
少なくとも、自分の鼻や舌で確認をするべきだ。
豆腐屋の友人に聞いたのだが、
水さえこまめに取り換えていたら、豆腐は結構日持ちするらしい。
それを聞いて以来、ウチではみそ汁の具などに少し使った豆腐は、
タッパーに移して大事に保存している。
実際、水を変えていると消費期限を十日ぐらい過ぎても味やにおいに変化はない。
消費期限を鵜呑みにしてたら損をする。
実は私は、腐らないと思っているものがいくつかある。
つまり、消費無期限ということだ。
たとえば、乾燥もの。
インスタントラーメンやマカロニ、
干しシイタケやだし昆布だ。
これらは水分を吸ってカビが生えない限りは大丈夫だと思っている。
納豆とヨーグルト。
この二つは納豆菌と乳酸菌に満たされているので、
雑菌が入る余地はないと思う。
以前、納豆が乾燥して縮んでいたことがあったが、
それとカビ以外は永遠にいける。
塩ジャケと梅干しなどの塩モノは、浸透圧の関係で雑菌は住めないはず。
梅干しには百年モノさえあるというではないか。
ま、シャケは魚類なので若干気は使うが。
同じ浸透圧の関係で、甘さの濃いものも腐らないはずだ。
はちみつやジャム、あんこなどだ。
酸っぱいあんこなんて聞いたことない。
さて、今回特に注目したいのは、干し柿だ。
こんなに腐らないものが他にあるだろうか。
元々が“柿渋”という殺菌防虫作用のある成分を含んでいて、
それを干して乾燥させてあるのだ。
その結果、ジャム化というかヨーカン化し、
濃密な糖分を得て、さらに腐らなくなる。
そもそも、柿には腐っても平気、というイメージがある。
ぶよんぶよんになるまで熟した柿を、私の住む地方では『ずくし』と言って、
私の母などは喜んで食べる。
自然界ではトップクラスの甘さだと思うのだが、
あまりこれを好む人には出会えない。
ちづるも強固に拒絶する。
先日、実家で干し柿をもらった。
これがちょっと変わったもので、
干し柿なのにぶよんぶよんなのだ。
串を刺すことはできないほど柔らかく、一つずつラップでくるんである。
一つ一つはかなり大きく、かぶりつくと中身はこしあん状態。
種の周りにはあのぶるんとしたものが残っている。
これは干した意味があるのだろうか。
私は干し柿はあんがい好きな方だが、甘いからあまり食べない。
しかも、手がべとべとになるから、長い間タッパーに入れて放置してあった。
久しぶりに見てみたら自重で汁が出てきて、酢漬けみたいな見た目になっている。
でも腐ってはいない。
この話をして、たった一人、食べてみたいと言った人がいた。
上司Tだ。
与えてみたら大喜びだ。
「また持ってきて」
と言っていたから、どうやら片付きそうだ。
彼の血糖値が上がらない程度の間隔で、会社に持っていくとしよう。

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