会社で私が利用しているトイレは、半分外みたいな感じだ。
屋根もあるし建物もつながっているのだが、風は自由に出入りしている。
そのトイレのコンクリートの床に、あってはならない痕跡がある。
そう、ケダモノの足跡だ。
犯人は分かっている。
猫だ。
風の出入りするところ、猫も出入りする。
誰かがトイレのドアを閉め忘れたとき、倉庫に猫が入って大騒動になったことがある。
数年前、古かったトイレを改装し、コンクリートを塗った時もやつらが来たのだ。
いったいこの世に犬や猫の足跡がついてないコンクリートはあるのだろうか。
時々、気の毒なぐらい足跡だらけのコンクリートを見る。
やつらは塗りたてのセメントが好きなのだろうか。
それとも、足跡を残すのが好きなのだろうか。
おそらく、わざとやっている。
そこの住人や仕事をした左官屋さんを困らせようとしているのだ。
あの足跡を見てみるがいい。
なんとまがまがしいことだろう。
とても普段かわいがっているワンちゃんやニャンコの足跡とは思えない。
たとえるなら、
マタギが山の中で鹿の残骸に遭遇し、そのそばで見つけた足跡を見て、
「でけえ。500キロはある」
とつぶやく。
これと同種のモノだ。
どうして、あの足跡はあんなに凶悪なんだろう。
本来、犬猫の足の裏はマニアの垂涎の的だ。
猫好きに猫の肉球を与えると、猫にマタタビを与えたときのようにごろにゃ~んとなる。
なのにあの足跡が求められないのはなぜか。
ぷにぷにしてないからではないだろうか。
足の裏と足跡では凹凸が逆になる。
くぼんでいる足跡がぷにぷにするはずがない。
ぷにぷにしない上に、鋭い爪ははっきりわかる。
この辺に問題がありそうだ。
もはや、人間界と切っても切り離せない関係になってしまった犬や猫。
彼らは人間に気に入られるように進化すべきだ。
たとえば、犬や猫がまだ乾いてないコンクリートに乗ったら、
トカゲのしっぽのように、肉球がとれてそこに残るというのはどうだろう。
もちろん肉球は次々生えてくる。
そうなれば、足跡はぷにぷにして人々に喜ばれるはずだ。
ああ、しかし、
そんなものがその辺に残ってたら、
猫マニアがあっちこっちでごろにゃ~んとなってて余計困るかもしれない。
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