落語を聞いていて違和感を感じるのはお金の単位だ。
江戸時代の噺の“両”だの“文”だのはまだいいのだが、
明治以降の噺には“円”が出てくる。
ただし、今の“円”とはレートが違う。
一円が大金としてあつかわれている。
時代が進むに従って、金額の単位はどんどん上がっていく。
一昔前の『百万長者』は、今では『億万長者』に出世した。
今や“兆”でさえ耳に新しい単語ではない。
小学校の頃は、そんなことを調べてはヘラヘラ喜んでいた。
兆の次は“ケイ”で“ガイ”で、
最終的にはナユタ、フカシギ、ムリョウタイスウなんてところにたどりつく。
小学生は、こんなことを調べるのが大好きだ。
とはいえ、実生活でこんな単位を実際に使うことはないと思っていた。
ところが、別方面からこんな大きな単位が使われ始めた。
それがメガ、ギガ、テラだ。
パソコンと牛丼のおかげで、これらの言葉はよく耳にするようになった。
逆に小さい単位もたまに聞くことがある。
物理学だのノーベル賞だのがからむニュースでは、
ナノメートルとかピコグラムなんて小さい単位が使われているようだ。
この言いようも小学生の頃にはよく調べたものだ。
たとえば長さだと、基本は『メートル』
その千倍は『キロメートル』で、逆に千分の一は『ミリメートル』となる。
めんどくさいのはこの間だ。
10ミリメートルは1センチメートルでその10倍は『1デシメートル』だ。
10メートルは『1デカメートル』でその十倍は『ヘクトメートル』だ。
つまり『デシリットル』とか『ヘクタール』なんてのはそこから来てるのだ。
イライラするのは、これがきっちり採用されてないことだ。
どうして『1000キログラム』は『1メガグラム』でなくて『1トン』なのか。
なぜ、騒音基準は『6ベル』でなくて『60デシベル』なのか。
なんで、カロリーの話題では『キロ』を言い忘れるのか。
「私のプリンはデカプリン」はどのへんからが『デカ』なのか。
一番気に入らないのは『気圧』だ。
今まで使っていた『ミリバール』をやめて『ヘクトパスカル』になった。
これは言葉は違うが同じなのだそうだ。
つまり、
1000ミリバール=1000ヘクトパスカル
なのだ。
これは言いかえると、
1バール=100000パスカル
ということだ。
気圧ってのは、これでいえば1000ぐらいなのだから、
こんなに都合のいい『バール』をどうしてやめたのか。
替えるとして、どうして『キロパスカル』にしなかったのか。
これは私の勝手な推測なのだが、
学問の世界って、絶対に『貧乏症』がかかわっていると思う。

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