新種のインフルエンザが日本に入ってきて、テレビも政府も大騒動だ。
毒性が弱いとは言っても、伝染性の病気。
できることならかかりたくはない。
症状云々よりも、誰の体の中で繁殖したのかわからないってのがイヤだ。
あんな娘経由ならいいけど、あのオヤジ経由なら断りたい。
ま、それがわからないのがせめてもの救いか。
ウィルスの毒牙にかからないためにはマスク、うがいとともに手洗いも大事だそうだ。
これは保菌者が触ったところにウィルスが付着し、
そこに自分が触れると、そのお土産を持ってきてしまうということだ。
しかし、手というのは忙しい。
特に意識しないうちに何かに触っている。
満員電車などでは気をつけないと大変なことになる。
インフルエンザどころか、手錠がかかる恐れがある。
ここはひとつ、手の行動範囲についてたしかめてみなくてはいけない。
ウィルス伝染のシュミレーションだ。
意識を高めることによって、自宅にウィルスを持ち込まないようにするのだ。
では、ブロッコリーを育ててみよう。
ブロッコリーはほぼキャベツだ。
一番の天敵は、モンシロチョウの幼虫、俗にいうアオムシだ。
やつらはものすごい大食漢で、小さい苗のうちなら一日で一本を食べつくしてしまう。
徹底的に駆除が必要だ。
でも、農薬は使いたくない。
私は木酢液やストチュウ(酢と焼酎を混ぜたもの)にんにくやしょうがの汁を使っている。
これらは匂いで虫が近寄らないようにさせる作戦だ。
ただ、虫を殺す効果はない。
まずは手だ。
大きなアオムシがいたら、手でつまんでふんづける。
でも小さなアオムシや卵は、このごつい指ではつまめない。
どうするか。
そのまま指ですり潰すのだ。
せめて手袋をしろよ、と思うかもしれない。
それではだめなのだ。
苗と言えば、人間でいう赤ちゃん。
お肌もデリケートだ。
丁寧に扱わなくてはならない。
特に、畑で使う軍手は土で汚れている。
その土が葉について光合成を阻害したり、表面に傷をつけたりする。
軍手自体の繊維も粗い。
だからと言って、畑用にシルクやサテンの手袋をおろすのもいやだ。
やはり、繊細で使い勝手のいい素手にかなうものはない。
さて、この作業のあとは何にも触りたくない。
敵が多かった日は、指先は緑色だ。
このとき、意識は指先に集中する。
ウィルスとは逆の意味になるが、何にも触りたくない状況だ。
車や荷物になるべく触らないように家に帰る。
庭には苗がたくさん並んでいる。
そうだ、手が汚れているうちに、苗の手入れもしておこう。
そのあとでウィルスっ気とアオムシっ気をしっかりと洗い落とそう。
このように、ブロッコリー効果で手がむやみにものに触る癖をなくし、
ウィルスの媒介をするのをふせぐことができるのだ。
でも、やはり家に帰ったらまず手を洗った方がいい。
苗の世話をしていると、ご近所の若い奥さんたちが帰ってきて挨拶をする。
ふと気がつくと、意識せずに指をくわえているときがあるのだ。

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