fc2ブログ
2009 02123456789101112131415161718192021222324252627282930312009 04
月別アーカイブ  [ 2009年03月 ] 

なにか変だがわからない

人それぞれに口癖があるように、文章にも癖がある。
書き癖というか、筆癖とでもいうか、
自分でもよくわかっていながら、つい同じ言葉を使ってしまう。
過去に書いたものを読んでいると赤面するばかりだ。

私自身が思う、よく使ってしまう言葉ベスト5は、
『しかし』
『なんだか』
『とはいえ』
『なにしろ』
『さて』
だ。

ひょっとして、すでにそう思っている人がいるのではないかとドキドキしている。
まあ所詮はシロートの日記。
その辺は勘弁してもらいたい。


ただし、私は勘弁しない。
もちろん、プロの作家に対してだ。
プロはプロたる文章を書かなければいけない。
アイデアやストーリーは個人の好みもあるだろう。
文章はそうはいかない。

以前読んだミステリーで、6回も「かそけき」という単語が出てきたことがあった。
「かそけき」なんて一般では一生に一度、使わない言葉だ。
これが長編とはいえ、ひとつの小説で6回も使われるなんて以上だ。
あまりに頻繁に出てくるので、トリックに関係してるのかと疑ったほどだ。


さて、私はミステリーマニアというほどではないけれど、推理物が大好きだ。
文庫でしか読まないから情報が古いかもしれないが、
最近読む本にやたら気になる記述がでてくる。
それは、
『違和感』
というやつだ。

こんなご都合主義な言葉があるだろうか。

小説内の記述者がある部屋に入る。
何か違和感を感じるが、それが何かはわからない。
後ほど探偵が種明かしをし、
ああ、あの違和感はそういうことだったのか、と判明する。
スッキリ!

するかー!

作者側からしたら、
「この部屋に何かの異変があるよ。
 教えてあげたからね。
 だからフェアだからね」
と言いたいのだろう。

しかし、読者はそれを自分の目で見ることはできない。
もちろん作者もそれを書くことはできない。
なにしろ、その違和感の正体に気づいたら、ほぼトリックは解けるのだ。

先日読んだ本にはこんなシーンがあった。

自分が宿泊している部屋の窓から外の景色を見る必要があった。
部屋では違和感を感じたが、それが何なのかはわからない。
あとで探偵に指摘されて気づく。
そうだ、あの部屋には私の荷物がなかったのだ。

気づくやろ!
提示された証拠に登場人物が気付かないことにしよう、
なんて設定、それなら何でも出来るやないか。
なんだか哀れになってきた。
とはいえ、こんな反則が認められるはずがない。

ノックスの十戒、ヴァン・ダインの二十則にぜひプラスしてもらいたい。
『違和感』の禁止を。
『しかし』や『さて』は許してね。






↑どこかヘンな気がしてもクリックしてね



s-090326iwakan.jpg
スポンサーサイト



[ 2009/03/27 00:48 ] エンターテイメント | TB(0) | CM(18)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


    ※はじめてご利用のみなさまへ※
       ★おヒマならこみ箱★
     ★こんなんですがギャラリー★


    ↑いい人はクリックしてね。
    人気ブログランキングへ



月別アーカイブ
ブログ検索
ブロとも申請フォーム