洗面台に行くと、歯磨きのチューブがさかさまに立ててある。
昔の融通の効かない金属チューブと違って、
最近のは“シュッ”としたチューブだ。
キャップが大きいから逆立ちしていられる。
逆立ちできると歯磨き粉が少なくなった時便利だ。
昔の融通の利かない金属チューブと違って、
歯磨き粉は出口付近にたまっているはずだ。
だから、チューブの胴体をプイっと押せば、
一回分の歯磨き粉はプリッと出る。
出ない。
これは想定より歯磨き粉の残量が少ないようだ。
プイっと押してプリッと出るレベルは過ぎてしまっている。
こうなると、少し技術が必要になってくる。
絞り出しだ。
昔の融通の利かない金属チューブだと、
しっぽから巻いてくると結構出る。
だけどラミネートチューブは尻から巻くことはできない。
あ、いま名前を思い出しました。
まず、しっぽをつまんで振ってみる。
遠心力で残った歯磨き粉を先端に集める作戦だ。
これも気をつけなくてはならない。
ラミネートチューブは滑りが良いのだ。
勢いをつけて降ると、
あー
と、飛んで行ってしまう場合がある。
振った後、キャップをはずして絞ってみる。
出ない。
絞り方を変える時が来た。
今までは脇から肩に向かって絞り上げていた。
次はみぞおちからのどに向かって締め上げる。
どぱ
うわ、いっぱい出た。
予想外だ。
一度の歯磨きにこんなに歯磨き粉を使っては世間に申し訳ない。
少し戻さねば。
ラミネートチューブの復元力を利用して、多い分の歯磨き粉を吸い取ろう。
しかし、出た驚きと安心感で指の力が緩み、
チューブは『ぱす~』と空気を吸っている。
これでは吸引力が保てない。
再び中の空気を出さねば。
『ずひ~』
微妙に内容物が影響している。
空気を出しきったら、出すぎた歯磨き粉の塊にチューブの口を当て、
むりやり抑えつけてた指を緩める。
にゅにゅ~っと吸って『つぱっ』と空気の介入によって吸入が断ち切られる。
とりあえず、残った歯磨き粉で歯を磨こう。
チューブが吸い込んだのが明日からの分だ。
ああ、明日からが大変だなあ。
やはり押し出しには無理がある。
では、吸い取り作戦か。
ずっと昔だが、一度だけ吸い取り作戦を試みたことがある。
方法は簡単、口で吸うのだ。
そして、口に入った歯磨き粉で歯を磨く。
その時も案外たくさん残っててびっくりした。
ラミネートチューブって、案外融通が利かない。

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