fc2ブログ
2008 081234567891011121314151617181920212223242526272829302008 10
月別アーカイブ  [ 2008年09月 ] 

秋の幻影

カウンターの大皿に盛られていた“ブリ大根”を注文して、生ビール。
ブリが半分ぐらいになったとき、以前から気になっていたメニューを注文した。

『べーとま腐サラダ』

ご想像通り『ベーコントマト豆腐サラダ』の省略形だった。
いや、量も多いしとてもおいしくて何も文句はない。
でも、『豆腐』を省略して『腐』だけにするのはどうだろう。
メニューの中に『腐る』という字。
しかも画数が多いので、この字だけやたら大きく目立っている。
こんな風なこの店のセンスが、好き。


日替わりメニューの黒板を見つめていた。
しばらくその恰好で固まっていると、女将さんがカウンター越しに、
「何か?」
私は疑問をぶつけてみた。

「あの、日替わりメニューにある“永谷園”ってなに?」

「あははー、そうでしょー」
どうやら私は引っかかったらしい。
女将さんはウキウキだ。
「えーとねー、土瓶蒸しみたいなものです~」

以前も書いたことがあるが、この店には妙なメニューがある。
“棒棒鶏(バンバンジー)みたいなの”
“回鍋肉(ホイコーロー)みたいなの”
ここに新しい“みたいなシリーズ”が登場したのだ。

引っかかったからには、注文してみなくてはなるまい。
「初オーダー、ありがとうございます~」

「おまたせしました~」
たいして待っていないうちにモノが出てきた。
確かに土瓶蒸しとは違う。
だって、これは“急須”じゃないか。
土瓶は“つる”を持ってぶら下げるものだ。
でも、これは横に立派な握りがついている。

「百均にこれしかなかったんです~」

百均て言うな。
もちろん土瓶蒸し用のものではないから、おつゆを飲むおちょこは全然別モノだ。
色も柄も質も肌触りも全く共通点がない。
ま、食べ物は容れものではない。
肝心なのは中身だ。

ふたを開けて具を確認。
鶏肉、シイタケ、ミツバ、
おお、ギンナンまで入っている。
そしてもうひとつ、形は残ってないが私にはわかった。

永谷園の『マツタケのお吸い物』だ。

女将さんの方を見る。
彼女もこちらを見ていた。
にこりと笑った。
OKサインを出した。
どうせ酔っぱらいが食べるのだ。
器とキノコは違うが、まさにマツタケの土瓶蒸し。
お値段350円。

座敷の4人組が大声で、
「おーい、“永谷園”ってなんや?」
女将さん、私を指して、
「今、こちらの方が召し上がってます~」
と紹介された。

私は、芝居っ気たっぷりに、
「これはおいしいですよ~、皆さんもどうぞ」
すると女将さんが大慌て。
「あーダメダメ~。これ百均に四つしかなかったんです~」
百均って言うな!






↑松茸、秋刀魚、柿、栗ックしてね。







スポンサーサイト



[ 2008/09/18 23:16 ] | TB(0) | CM(17)

ねんころり

寝っぱらってます。

ごきげんよう。






↑こういう時にこそ発揮する優しさでクリックしてね







[ 2008/09/18 00:06 ] 寝る | TB(0) | CM(9)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


    ※はじめてご利用のみなさまへ※
       ★おヒマならこみ箱★
     ★こんなんですがギャラリー★


    ↑いい人はクリックしてね。
    人気ブログランキングへ



月別アーカイブ
ブログ検索
ブロとも申請フォーム