まだ若くてピチピチしていたころ、私はキャンプにはまっていた。
カタログや雑誌を見ては、遠方のアウトドアショップまで足を伸ばしたものだ。
なにしろ、近くにアウトドアショップなんてものはなかった。
キャンプ用品を買いに出かけることが、メインのイベントだったような気がする。
もちろん、実際のキャンプにもあちこち出かけた。
最近はご無沙汰だが、結婚してからも何回か夫婦でキャンプに行った。
ベテラン、なんて偉そうなことは言えないが、
徐々に自分のキャンプスタイルというようなものが決まっていった。
結局、我が家流ではあまりキャンプ用品を使わなくなった。
テントの上に張るタープなんて物も買ったが、
ブルーシートの方がいろんなサイズがあって便利だ。
折りたたみのミニテーブルは野菜コンテナを裏返して使ってるし、
二人だと、バーベキューコンロより七輪の方が具合がいい。
見た目はちょっとホームレスっぽいが、
丈夫で安いから雑に扱えるし、道具としての能力では全然劣らない。
こうしようと思ったのではなく、そこに行き着いてしまったという感じだ。
似合っている、といえるかもしれない。
キャンプにあまり行かなくなったのは、
シーズンが畑で忙しいからだ。
能率的にといろいろ考えるのだが、なかなか簡単にはいかない。
畑仕事にはいろんな道具が要る。
気がつくたびに取りに走っていたのでは時間のロスだ。
そこで私は『ガーデニングエプロン』というのを買った。
ポケットがたくさんあって、いかにも便利そうだ。
ところが、これがそんなに便利ではなかった。
しゃがむと長いものは地面に当たるし、
ピンセットみたいな小さなものは落としてしまうし、
とんがったもので太ももを刺すし、
初日で泥まみれになるし・・・
この畑の地主で、隣で野菜を作っている叔母さんは、
いつも腰にかごをぶら下げている。
その作業の仕方を見ていると、これがとても便利そうだ。
草取りをしていて石が出てくるとこのかごに入れる。
耕していて草の根っこが出てくるとこのかごに入れる。
道具も入っているが、拾ったゴミも入れる。
考えてみたら、どうせ農具は土まみれの草まみれ、
分けておく必要がないのだ。
オヤジが野菜作りをやめたとき、もらった道具の中にこんなのがあった。
早速使い始めると、これこそが私の求めていたものだった。
デザインじゃない、値段じゃない。
よく使われている道具こそ、一番使える道具なのだ。
というわけで、私が今使っているカメラケースはこれだ。

そう、がま口だ。
百円均一の店で見つけて衝動買いしてしまったものだ。
これが非情に使い勝手がいい。
片手で簡単にふたが開けられ、閉めたらかなり頑丈だ。
奥が広がっているので、たてに入れたカメラが横になって安定がいい。
以前、音楽が聞けるカメラを入れてたときは、ヘッドフォンも入って便利だった。
がま口って、もっと普及してもいいと思う。
これを持ち歩くのに使っているウエストバッグがまた良くて、
仕切りがなくて広いので出し入れが簡単で、
しかも値段が500円だったという・・・
はっ、ひょっとしてワシ、安物男?

↑普及するようにクリックしてね
スポンサーサイト