先日ニュースで見たのだが、まもなく世界の人口が、
6666666666人になるのだそうだ。
生物として考えたとき、人間は爆発的な増え方をした。
代わりに多くの種が絶滅していった。
人間は自然界、生態系に大きな影響を与える存在になったのだ。
ペットや家畜として人間の生活に取り込まれていった生き物は、
品種改良の結果、どんどん変化していった。
人間にとって、便利かかわいいかを求められたのだ。
自然界に住む生物にとっては、人間の台頭も自然現象のひとつだ。
こうなると、野生生物も人間にとって都合のいいように進化するのではないか。
パンダやコアラのように可愛らしいとか、
フラミンゴやクジャクのように美しいとか、
悪く言えば、人間にこびる進化が起こっても不思議はない。
東南アジアには人の顔に見える柄のカメムシがいるそうだが、
その顔が少女マンガ風になってくるかもしれない。
野生生物の中で、レッサーパンダのように立ち上がったり、
エリマキトカゲのようにおどけて走り出すものが現れるかもしれない。
これからの時代、進化はブームの先取りだ。
そうやってコビられて喜んでいる人間たち。
しかし、いつの世にも思い通りにならない一派がいるものだ。
コビはしないが、人間の生活に密着して生きるキラワレ者たち。
思い上がっている人間は、ヤツらの存在が許せない。
あの色や形、動き、習性、音、すべてが気に入らない。
だが、現代文明の科学力をもってしても、
ヤツらを完全に駆逐することは不可能だ。
そこで逆転の発想。
『鳴かぬなら カワイクしちゃえ ほととぎす』
遺伝子操作で、ヤツらをかわいくしてしまうのだ。
深夜、のどの渇きを覚えキッチンへ。
すると暗闇の中、何かが動く気配がする。
そ~っとスイッチに手を伸ばし、明かりをつけると・・・
ゴキピーだ!
二頭身でモコッてしてて、薄いピンクで蝶ネクタイ。
あのてらてらとした黒光りは、つぶらな瞳のうるうるに利用されている。
隅っこをカサカサと動いたりしない。
「てっててー」と走って、ときどき立ち止まっては「ぷに」と小首をかしげる。
どうだ、これならスリッパで叩こうとは思うまい。
蚊も変わる。
こっそり肌にとまって血を吸ったりしない。
なるべく人の目に付くところにとまり、まるまっちぃシッポをプリプリ振る。
鼻をピスピス鳴らしたあと、上目使いで「チョウダイ」と言う。
「いいよ」と言うと、肌にほおずりして感謝を示したあと、
まるでkissのようにお食事を始める。
ハエはスイーツにしか近寄らない。
あのイヤだった羽音は「キャラリン」か「シャランラ」と聞こえる。
うっかりクモの巣にひっかかっても、それはシルクの肌触り。
ムカデはハート型がつながっているようにしか見えないし、
ナメクジはパールピンクのルージュをひいたぷっくりリップのよう。
どうです、この夢のような世界!
・・・やっぱり気持ち悪いですか。

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