まったく、世の中の科学とか文明といったものは、
まるで畑の雑草のようだ。
私のやることに関係なく、いつの間にか勝手に成長している。
その速さに私はビックリさせられるばかりだ。
先日、ちょっとした買い物がしたくて、
会社帰りに車で20分ほどのところにあるホームセンターへ買い物に行った。
平日の夕方に行くのは初めてで、さすが休日のような混雑はなかった。
ところが、買うものを持って、いざレジに向かうと結構な行列だ。
お客が少ない分、稼動しているレジも少ないのだ。
さて、並ぶのが大嫌いな私、
人が少ないのをいいことに、ちょっとしたチャレンジをした。
いやいや、万引きじゃないよ。
わたしが向かったのは『無人レジ』
専用の機械が6台ほど並び、自分で清算をしなければならない。
ガソリンスタンドが軒並みセルフになっているが、
スーパーやホームセンターにもその波は押し寄せてきたのか。
都会ではこういうのは当たり前なのだろうか。
さて、普通のレジは並んでいるのに、無人レジには誰もいない。
田舎にチャレンジャーは少ない。
幸い今日の買い物は、同じものが六個だ。
私が先陣を切ってやるぜ。
昔はレジといえばガチャガチャチーンだった。
それがレーザーガンみたいなのでピッとやるようになって、
そのうちレジのガラス窓の上を通っただけでプポッってなるようになった。
お釣りも、店員さんが数えるのではなく、自販機みたいに勝手に出てくる。
しかし、まさかこの作業を自分でやるようになろうとは。
そういえば、先日カラオケに行ったときも、この進歩ってヤツにやられた。
部屋に入って見渡しても、リモコンがない。
店員さんを呼んでたずねたら、モニター横にあったガラス板みたいなものを教えられた。
カラオケ機本体の一部だと思っていたら、なんとタッチパネル。
付属の棒で画面に触れたら50音が現れた。
曲名でも歌手名でもOK。
全部打ち込まなくても、途中で検索ができる。
なんだか未来みたいだ。
思えば、昔はカラオケといえば8トラだった。
歌詞カードは自分で探したものだ。
それがレーザーディスクになり、有線カラオケになり、
マイク型の機械で、自宅やアウトドアでもできるようになった。
進歩だなあ。
しかし、進歩はいいことばかりではない。
最近のカラオケは曲数がやたら多い。
新曲もすぐに登場する。
聞いたところによると、最近のカラオケは絶対音感を持った人が曲を聴き、
すぐにコンピューターで音を作ってしまうのだそうだ。
曲目が多い、新曲の登場が早いってのは大歓迎だ。
でも、音が悪いんじゃないか?
実際の演奏と比べると、迫力がないというか、平べったいというか・・・
私は音にうるさい方ではないが、間奏のギターソロなんか味気ないと思う。
もっともっと進歩したら、コンピューターの音楽にも魂が入るのだろうか。
これもコストダウンなのだろうが、
あの得体の知れない映像はいらないから、もっと音の質を上げてもらいたい。
でないと、なんだかノリノリになれないのだ。
ホームセンターで無人のレジを終え、帰路に着いた。
レジは問題もなく使えたが、お金を払いレシートをもらったあと、
きっかけがなくて、もうレジを離れてもいいのかな、と迷っていたら、
使用方法の説明文が出る窓に『ありがとうございました』と出ていた。
本当にありがたいと思っているのかい、機械君。
通勤のように信号もなく、休日のように助手席にちづるのいない帰り道、
好きな歌をガンガン鳴らして、号歌しながら車を走らせた。
もっちろん、家に着くまでノリノリさ!

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