近頃、料理を出す店に星をつけたりするシステムがあるそうな。
もちろん私はそんなお店に入ったことはない。
なぜ、行かないのか。
高いとか遠いとかが理由ではない。
バランスが悪いからだ。
そう、星がもらえるような上品でおしゃれなお店に、
私のような下品で非しゃれで薄くて太い男がいくとバランスが・・・
ちがーう!
私が言うのは、料理と器のバランスのことだ。
こういうお店では、大きな器にほんの少しの料理を乗せる。
まるで「ちょっとこぼしちゃった」ぐらいの量だ。
小柄な人なら、料理の横で相撲ぐらいとれそうだ。
まさに皿汚し。
洗う者のことも考えろ。
「どうぞ、器も楽しんでください」
なんて言い草があるか。
皿を楽しませたかったら、回して見せろ!
どんぶりを楽しませたかったら、さいころを使え!
おしゃれ小鉢は金銀パールプレゼントしろ~!
そういった家柄であるので、我が家の盛り付けは大胆かつ繊細だ。
理想は、ちょうど山盛り。
ここで、どの器を選ぶかが問題になってくる。
なぜか、いつもどっさりできる我が家の料理。
だからといって、やたら大きな器を使うと怒られる。
「こんな洗いにくいものを使いやがって」
で、小ぶりな器を使って、ひとつに納まりきれないと、
「ひとつの料理で、二つも洗い物を作りやがって」
と怒られる。
だから、結局なるべく小さな器に高層化、ということになる。
まるで都会の土地事情だ。
しかし、この判断がまた難しい。
「よし、この量ならこの器に収まるぞ」
と盛り付け始めたら、どんどん汁が出てきてあふれそうになるときがある。
仕方なく、もうひとつ同じ器を出して二人用に分けると、
器の割に料理が少なくなってしまう。
こんなときは、
「大きな器を二つも汚しやがって」
と二倍怒られるのだ。
『洗う人』が『荒れる人』になるには、大きさや数ばかりが問題ではない。
形状も「怒り因子」の大きなポイントだ。
複雑な形のもの、持ちにくいもの、深いものは嫌われる。
私が昼休みに使ったキャンプ用の先割れスプーンは使用禁止になった。
プロテイン用のシェイカーも嫌われている。
先日「マイ箸」を買ったのだが、その箸箱もにらまれた。
なので私は『ランチジャー』なんてものでお昼を食べている人が、
不思議でたまらないのだ。

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