
男子はみんな『筋道』が好きだ。
どうしてあんなに決められた道をたどりたがるのか。
自分でも説明できないが、好きなんだから仕方がない。
たとえば鉄道。
線路という筋道を電車が走る。
いい年をした大人でも、鉄道模型にうつつを抜かすのだ。
おもちゃの電車がどんなに子供の心を捕らえることか。
電車を走らせるコースは複雑なほど楽しい。
切り替えがあったり、上り下りがあったり、
立体交差したり、駅で二股に分かれたり。
次から次へと新しいパーツがほしくなる。
自動車もそうだ。
男の子は必ず自動車のおもちゃにはまる。
それをただ広いところでまっすぐ走らせるのはつまらない。
「ぶっぶ~」と言って、道を走らせる。
それも、バスのような大きな車が、狭くて曲がりくねった道を走るのがいい。
車を走らせ始めると、そこはもう想像の世界。
誰にも道は見えないけれど、ここは崖、ここは坂、
こっちは橋で、あっちはトンネル。
縦横無尽、複雑怪奇。
さて、そういう道筋の、一番基本的なものが『玉』だ。
『玉』は転がる。
高いところから低いところへ転がる。
これに道筋をつけるのが楽しい。
自分で作った道筋を玉が転がっていくなんて、
想像しただけでトリップしちゃう。
先日、百円均一の店で素敵なものを見つけてしまった。
ブロックのように筒と溝を組み合わせて道筋を作り、
そこにビー玉を転がしてウハウハ、というおもちゃだ。
これを見つけたとたん、私の少年の心が目を覚ました。
手にとって見てみる。
対象年齢3歳以上、と表示されている。
幸いにも私は3歳以上だ。
三つ買った。
それだけしかなかったのだ。
いわゆる『大人買い』だ。
3歳未満の者にはこんなまねはできまい。
3セット分のパーツを自分の好き勝手に組み合わせてビー玉を転がした。
楽しい楽しい。
あまっていたプラボックスを専用おもちゃ箱にした。
今もタワーはすぐそばにある。
この話をここまで書く間に、何度立っていって玉を転がしたことか。
しかし、何度も転がしているうちに、物足りなくなってきた。
いかん、なにかの虫が起きてきたぞ。
欲深い少年の虫が。
↓これがうわさのタワーです。


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