先日、長年愛用していたデジタルカメラが壊れた。
長年と言っても、せいぜい3~4年だ。
オヤジのカメラは何十年も使っている。
実家ではじめて買ったカラーテレビは20年もった。
電化製品の寿命のサイクルは短くなっている。
また壊れ方が微妙だ。
まったく今までどおり動いているのに、写真が写らない。
レンズはちゃんと出るし、フラッシュも光る。
モードの切り替えもできるし、設定も表示される。
なのに、撮った写真は真っ黒だ。
つまり部分的故障だ。
修理したら直らない事もないのだろう。
しかし、電化製品の再起率は著しく下がっている。
実際に修理には出す気はなかった。
お店に持って行くと、
「直すより買った方が安いですよ」
と言われるという話をよく聞いたからだ。
このカメラ、200万画素で、36000円で買ったのだが、
今、2万円も出せば700万画素のカメラが買える。
ありがたいことに、電化製品の値段は下がっているようだ。
これを選んだのはちづるだ。
「お前のごつい手や指では小さいカメラは扱いにくいからこれにしな」
そういう理由で、握り部分が大きい。
「お前は充電を忘れるから電池式にしな」
というわけで、単3電池を4本使うタイプだ。
この指摘は的確で、私にはとても使いやすいカメラだった。
結構愛着も持っていた。
これが、写らなくなったとはいえ、まだ動くのに捨てるのは心苦しい。
そのまま放置していると、ちづるがこう言った。
「電池とカードを抜いときな」
それもそうだ。
とりあえず、いつも充電をするときのように電池を抜き、
買ったとき以来、開けていないところを開けてカードを抜いた。
カメラは本当に動かなくなった。
一切鼓動を感じなくなったカメラを手にとって、私はショックを受けた。
「ああ、お前、こんなに軽かったのか」
電池4本分軽くなったのだ。
そう思って当然だろう。
でも、なんだか小さくなったような気がする。
冷たく、硬くなったような気がする。
捨てるとなると、空き缶や鉄くずと同じ扱いになるのだろうか。
それはなんだか、かわいそうに思えてきた。
趣味のキャンプ用品を入れている棚にまだスペースがある。
しばらくは飾っておこうか。
そういえば、このカメラが写っている写真がないぞ。

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