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月別アーカイブ  [ 2007年11月 ] 

昆虫残酷物語

車の窓の外側を拭く。
これでワイパーを使わなくても、雨粒は風圧で飛んでいってしまうはずだ。
でも、そうはならない。
まったく雨は水滴にならず、むしろ拭いた部分が汚れたような気がする。

車の窓の内側を拭く。
これで油膜や汚れは取れ、湿気があっても曇らなくなるはずだ。
でも、そうはならない。
拭いた部分だけが、曇りよりもしつこい膜になって視界を妨げる。

どちらも、ウェットタイプのペーパータオル。
百円均一で買った商品だ。

「百均のじゃダメだ」
ちづるの説によると、百均のこういう商品は、
普通の水に、なんらかの添加物を入れてあるだけなのだそうな。
その「なんらか」はタダの「なんらか」であって、
決してなんらかの効果の「なんらか」ではないらしい。
簡単に言えば、
「匂いがつけてあるだけ」
なのだそうな。


思えば、子供のころにもそういう商品があった。
昆虫採集セットだ。
今思えばとんでもない話だが、
子供用のおもちゃだというのに、メスやら注射器やらが入っていた。
この中に薬品が二種類あった。
赤い麻酔薬と、青い「腐らない薬」だった。

この薬、明らかに水になんらかの添加がしてあるだけだ。
この場合は『色』だ。
私の記憶では『昆虫採集セット』は二回買ってもらった。
一回目は本当におもちゃで、二回目にはグレードアップして、
メスは金属、注射器は本物だった。
でも、どちらにも二種類の色水が入っていた。

このようなおもちゃはとても危険だ。
虫にとって。
子供は使いたくて仕方がない。
いっしょにセットされている虫めがねなんかどうでもいい。
注射器こそがこのセットをおねだりした目的なのだ。

子供は犠牲者を求めてさまよう。
やがて、何でもいいから捕まえる。
そのあとは修羅場だ。

子供はこう考える。
「まずは麻酔を試したい」
そして、虫に注射針を突き立てる。
虫の体の大きさから考えると、とんでもない太さの針だ。
虫でなかったら、この針だけで即死だろう。

そして薬液の注入。
子供の辞書に『少し』と言う文字はない。
注射器に入る限りの色水を注入する。
もちろん、虫の小さな体にそれだけの液体が納まるわけがない。
全身から赤い液体を噴出させ、虫は死んでしまう。
麻酔薬だが、寝ているわけではない。

子供は動かなくなった虫を標本にしたりしない。
そもそも採集ですらない。
目的はあくまでも注射なのだ。
子供は再び動き出す。
次の獲物を求めて。


こういう行動を繰り返していると、麻酔薬ばかりが減る。
青い『腐らない薬』ばかりが残ってくる。
まだ小さかった私は、この「腐らない薬」をカマキリの卵に注射した。
青い液体がじゅわじゅわあふれ、それを空き缶に入れておいた。
その薬の効果があったのかどうかは知らない。
でもそのタマゴは孵化し、洗濯機が子カマキリまみれになって怒られたのだった。





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[ 2007/11/09 22:50 ] 懐かしの話題 | TB(0) | CM(4)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


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