夏、私はくさい。
なにしろ汗っかきなのだ。
本当は「汗かき」なのだが、
「汗っかき」と「っ」を入れたほうが、
かわいげがあるような気がして入れてみた。
「ピノキオ」より「ピノッキオ」の方がディズニーっぽい、
という迷信を参考にしてみたのだ。
自分で言い出したことなのだが、
少しでも「くさい」と言うイメージを緩和したいのだ。
さて、
私は朝から汗をかいている。
出勤前に植木に水をやろうと考えただけで汗をかく。
こんな体質なので、仕事中の私の体は、
まるで爬虫類のように常にしっとりしている。
昨今、ペット界では爬虫類ブームが起こっているらしい。
静かで餌代がかからなくてニオイのないのがその理由だ。
やかましくていっぱい食べて、しかもくさい私は、
ペットとしては爬虫類に数段劣るようだ。
再び、さて、
仕事中の汗臭さは時がたつに連れ、どんどん増していく。
そして、あるタイミングでニオイの質が変わることに気がついた。
ニオイが
「サナギマンからイナズマン」
といえばわかりやすいだろうか。
これはなぜか、だいたい見当はつく。
おそらく、最初にかいた汗が変質してきたのだ。
思いつく単語は「発酵」?
牛乳を拭いた雑巾がくさくなる原理だ。
先日聞いた嫌な話を思い出した。
かかわる菌が違うだけで「発酵」は「腐敗」と同じなのだそうだ。
さてさてさて、
あんまりくさいので、シャツの胸元を引っ張って、
中のにおいを嗅いでみた。
たいしたニオイじゃない。
脇の下も嗅いでみた。
これも違う。
くさいのはくさいが、サナギマンレベルのニオイだ。
この時々鼻をつく、イナズマンのニオイはどこのニオイだろう。
Tシャツを脱いで、刑事のように、
どこが現場か嗅ぎまわってみた。
腹、胸、背中、違う、Tシャツじゃない。
もしや・・・
うわー、鉢巻だ。
汗止めに頭に巻いている手ぬぐいがくさい~。
そうか、人間の汗で一番くさくなるのは、頭の汗だったのか。
はっ、まさか・・・これって「加齢臭」?
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