この世に生まれてきたからには、
一度は行っておきたいところ、見ておきたい風景がある。
私の場合、南米のマチュピチュやギアナ高地。
万里の長城、エアーズロック、グランドキャニオン。
イスタンブールやスペインやモロッコの町並み。
砂漠も氷河もビッグウェーブもオーロラも見たい。
でも、遠方には行きたくない。
危険と困難と疲労はイヤなのだ。
「隣の県」ぐらいが性に合っているのかもしれない。
いまだに「時差」は未経験だが、きっと性に合わない。
さて、カネさえ出せばなんでも手に入る日本。
今までの旅行はどんなに遠くても地球の裏側までだった。
しかし、いまや旅行はSFの世界に足を踏み入れようとしている。
食を極めてゲテモノに行くように、
ゲテ旅がいよいよ実現されようとしている。
たとえば、「深海」
まっぴらだ。
絶対行きたくない。
私の三大「乗りたくない乗り物」は、
ヘリコプター、富士急ハイランドの新コースター「ええじゃないか」
そして「潜水艦」だ。
せまいし、景色は見えないし、温泉はないだろうし、
ずーっと
「ごんごんごんごん、ぴきーん、ぴきーん」
とか聞こえてそうだ。
動力をビールを冷やすことに使ってくれないような気もする。
「宇宙」もイヤだ。
ロケットは私の「四大乗りたくない乗り物」のひとつだ。
無重力はちょっと魅力的だが、夕食にお膳は望めない。
飲んだら悪酔いしそうだし、
吐いたらとんでもないことになる。
どこまで行っても同じ景色だし、
チップを払わないと酸素をくれないかもしれない。
万が一の事態が起こったとき、
飛行機のように落ちるでもなく、船のように沈むでもなく、
「どうにかなっちゃう」という、わけのわからなさが怖い。
「未来」も勘弁して欲しい。
タイムマシンは私の「五大乗りたくねー」のひとつだ。
何よりも「未来」がどんなところなのかわからない。
「外国へ連れて行ってあげる」
と言われても、目的地がわからなければ、
「いくいく、連れてって~」
とは言えないだろう。
そして、時間旅行の一番気に入らない点は、
どんな大旅行、どんな大冒険をしたとしても、
結局「日帰り」なのだ。
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