小学校三年のとき、スポーツ少年団へ入部する権利をもらった。
入らなくてはならないという決まりはないが、
入ってもいいよ、といわれると入ってみたくなるものだ。
それ以前から、剣道をやっているやつらはいた。
スポーツ少年団とは別に、道場に通っていたらしい。
習い事みたいなものだと思う。
友だちがはかまをはいて防具や竹刀を持っているのを見て、
ちょっとかっこいいと思っていた。
そんなやつらに誘われもしたので、
「よっしゃ、ワシも剣道をやるぞー」
と意気込んでいた。
で、結局入ったのは「陸上」だった。
一番の仲良しがそう言ったからだ。
確か、剣道と野球が双璧で、ほかの競技はマイナーだった。
当時は「陸上」が何かすら知らなかった。
こんなにも人に流されやすかったのだから、
水泳の方がよかったのかもしれない。
しかし、大人になって客観的に自分を見つめることができるようになると、
この選択は正解だったと思えるようになった。
小心者で緊張しいの私は、試合が嫌いだったのだ。
簡単に言えば闘争心がないのかもしれない。
ほぼ強制的に出場させられた相撲大会。
土俵に上がって、
「うわー、こんな目に合うならとっとと負けたほうが楽かも知れん」
と思っていた。
一対一で誰かと戦うなんて、まっぴらだ。
球技は苦手、格闘技は嫌い。
結局、高校卒業まで陸上部だった。
最終的にやっていた競技はハンマー投げ。
何かをなるべく遠くに投げるという、
「勝手にやっとれ」的競技が、私には合っていたようだ。
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