私はかゆがりだ。
風呂には毎晩はいっている。
背中、と言うのはなぜかゆくなるのだろう。
あんなにものんべんだらりとただ広いだけの部分。
よく動く場所、湿度の高い場所、換気の悪い場所はまだわかる。
なのにあの背中というヤツは、かゆくなる。
「孫の手」なんて背中をかく専用の道具がある。
これはなぜかというと、背中はかゆくなる上に手が届きにくいのだ。
会社で年上の人たちが皆腕が上がらないと言っているのを聞いて、
私はジムで腕をあげる練習をしている。
ふつう、なにかの腕を上げる練習をするものだが、
ただ、腕を上げる練習をしている。
ともかくその成果で私は背中で手をつなげるのだ。
これで背中全般に手が届くような気がするのだがそうは行かない。
たとえば右手を背中に回す場合、上から、下から、左のわきの下からの三種類の道筋がある。
そのひとつずつを、左右ともワイパーのように手が届く範囲を扇形に塗りつぶしていき、背中全体が塗りつぶせたら、自力でどこでもカキカキできると言うことなのだが、どうもデッドゾーンがあるようだ。
そうなると「孫の手」あるいは、万能背中かき「角」に頼ることになる。
「角」という道具があるわけではない。
その辺の「角」のことだ。
「角」は背中にもって行くことができない。
なので、背中を「角」にもって行くことになる。
これはとても気持ちがいいのだが、見た目が悪い。
風呂に入っていないように見える。
だから、本当に便利なのは「人目につかない角」なのだ。
もうひとつ困るのが、どこかかゆいのだが、それがどこかわからない場合だ。
もがいてもがいてした挙句、かゆいのは足の小指だったりする。
足の小指はタチが悪い。
ぶつけたらほかより痛いし、蚊に食われたらほかよりかゆい。
そのくせ、実生活ではたいして役に立っていないのだ。
そこで、提案。
こういう使い方はどうだろう。
「孫の足の小指」
足の小指を三つぐらい並べて棒の先につけるのだ。
「孫の手」より肉球っぽい感じがいいかもしれないぞ。
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