休日の昼食は外食が多いのだが、それもうどんと中華がほとんどだ。
たまには珍しいものを、と思うとパスタなどを選ぶことがある。
パスタ。
私の小さい頃は「スパゲティー」だった。
それ以外に今で言うパスタは「マカロニ」しかなかった。
スパゲティーは洋麺のケチャップ炒めだった。
具はタマネギとハムぐらい。
私のイメージでは、お子様ランチの添え物としてデビューしたような気がする。
デパートの大食堂にしかなかったんじゃないだろうか。
そのうちミートソースが現れた。
スパゲティにも種類があるぞという主張を始めて耳にした。
主な住処は喫茶店に移った。
鉄板に乗ったり、粉チーズがかかったりした。
ちなみに私はいまだにイタリアンとナポリタンの違いがわからない。
ホワイトソースの出現にはびっくりした。
なにしろ赤いと思っていたものが白くなったのだ。
そうこうしているうちに、スパゲティーの種類はどか~んと増えた。
ボンゴレ、カルボナーラ、ペペロンチーノ、などなど。
そのうち名前が追いつかなくなってきたのか、説明調のメニューをやたら目にするようになった。
いわゆる「○○と○○の○○」と言うタイプだ。
こうなると注文するのに想像力がいる。
先日寄った店のランチは3種類のパスタから選ぶシステムだった。
私は「ムール貝とキノコのトマトソース」
ちづるは「スモークサーモンとトマトの・・・なにか」を選んだ。
結局は具の好き嫌いで選ぶしかない。
私の基準では「生ハム」が入っていると弱い。
「ベーコン」もかなりそそられる。
でも「アンチョビ」は遠慮する。
野菜なら「ホウレンソウ」と「アスパラガス」がいい。
ちづるはパスタに限っては「ナス」がイヤだそうだ。
いっそ、ピザのトッピングのようにチョイスできるといいのに。
「生ハムとホウレンソウ」と「ベーコンとアスパラ」がある店でも、
「生ハムとアスパラ」はないのだ。
なんでや。
最近は、納豆だの味噌だの大根おろしだのあんかけだの、
バラエティに富んできたと言うか、節操がなくなってきたと言うか、
ともかくメニューの種類が多すぎる。
生ハムタイプだとか、ホワイトソースタイプだとか言う以前に、
「迷うタイプ」の私は、「イタリアン」の時代が懐かしい。