fc2ブログ
2005 101234567891011121314151617181920212223242526272829302005 12
月別アーカイブ  [ 2005年11月 ] 

最後のお願い

今、日本中で大ブームの「合併」が私の住む地域でも行われた。
それにともなう選挙の投票日が明日だ。
何しろ市会議員の選挙、国政・県政の選挙のときより、地元を走り回る選挙カーの台数が格段に多い。
住民はお願いされまくりだ。

空は青空、風はなし。
絶好の畑日和だ。
今日こそは、遅れ気味のタマネギの植え付けをしなければならない。
残念ながら、今日のBGMは小鳥のさえずりとはいかない。
遠く近くの喉を嗄らしたスピーカーの絶叫だ。

そのうち、一台のお願いカーが土手の上の堤防道路に入ってきた。
こいつはまずい。
私の畑は土手のすぐ下だ。
視界をさえぎるものは何もない。
「高いところから大変失礼をしております」
うわっ、これは私に対するピンポイントお願いだ。
だって、見渡す限り、低いところには私ひとりしかいないのだ。

知らんぷりをする度胸はないので、クワを休めて軽く会釈をした。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
窓からは私に向かってちぎれんばかりに手が振られている。
ワッキーの芝刈り機か!
こうしてお願いカーは舞台から去っていった。
なんだか、とても恥ずかしかった。

ふと冷静に考えてみた。
土手の上から手を振る選挙カー。
それに答える長靴、麦藁帽の農民。
なんと絵にかいたような田舎の選挙風景だろう。
いっそその風景になじんでしまった方が、恥ずかしくないのではないだろうか。
よし、今度選挙カーがやってきたら、汗を拭きながら手を振ってやろう。
思いっきり、農民を演じてやろう。

しかし、私が畑にいる間、選挙カーはもう来なかった。
そりゃそうかもしれない。
ここには有権者は私ひとりしかいないのだ。
スポンサーサイト



[ 2005/11/26 00:00 ] ある日の出来事 | TB(0) | CM(3)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


    ※はじめてご利用のみなさまへ※
       ★おヒマならこみ箱★
     ★こんなんですがギャラリー★


    ↑いい人はクリックしてね。
    人気ブログランキングへ



月別アーカイブ
ブログ検索
ブロとも申請フォーム