汗かきな上にお肌がデリケートな私はアセマー(アセモ持ち)だ。
寝る前にはアセモに薬を塗る。
アセモにもなんとか生き延びようという考えがあるのだろうか。
どうも薬が塗りにくい場所、見えにくい場所にできているような気がする。
うなじ、背中、腰、おしり・・・
以前はそういう部位はちづるに塗ってもらっていたのだが、
「塗って」と頼むたび
「うへえ」と、あまりにも露骨にいやな顔をされるので、頼みにくくなってしまった。
そこで購入してもらったのが、スプレー式アセモ薬だ。
けっこう値が張るので普通なら却下されるところだが、よほど薬を塗りたくないらしく簡単に買ってもらえた。
これを「噴いて」と頼むと『もったいない警報』が発令されて「しゅ」としか噴いてくれない。
薬はどっぷり塗りたい私は、自分でしゅしゅーしゅーしゅーと噴きまくるのだ。
しかし考えてみるとスプレーの塗り薬というのは未来っぽい。
いや、スプレーなのだから塗り薬というのはおかしい。
飲み薬、貼り薬、塗り薬以外の新ジャンルじゃないか。
噴き薬、というよりもスプレー薬、略して「スプリ」というのはどうだろう。
ふと、冷静に、第三者的に、遠い目で考えてみたら「自分のおしりにスプレーを噴く男」というのは、何かこうシュールでファンタジックでアンニュイじゃないか。
それにしても、いろいろ塗られるおしりだ。