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急ぐのに不向きな体調

とりあえず目が覚めた。
リビングのホットカーペットだ。
ちづるが毛布を掛けてくれたらしい。
外はもうずいぶん明るい。
でも、そのままでいる。

しばらくすると二階で人が動く気配を感じた。
ちづるがのしのしと階段を下りてくる音が聞こえる。
リビングの戸が開いて、ちづるがこう言った。

「9時過ぎとる」

えらいこっちゃ。
この日は母の面接予約が10時半にとってある。
普段だと実家に行って風通しをしてから施設に行くのだが、そんな時間はない。
施設に直行したとして30分はかかる。
とりあえず起きなくては。

パンを食って、チャッと風呂に入って、雑な更新をして、歯磨き髭剃りをして、
あっという間に出発時間だ。
前日に買っておいたお菓子と冬の上着を忘れないように。


10時半をほんのちょっとだけ過ぎて施設に着いた。
車を降りたら、食堂の日当たりのいいところにいる母を見つけた。
手を振るとわかったらしくて、振り返してくれた。
見知らぬおっさんも振り返してくれた。

受付をするとスタッフさんが母を連れて来てくれて、部屋で面会だ。
買ってきた冬服を見せると、1着は「こわい」と言われてしまった。
毛足が長いから、ケモノっぽいと思われてしまったのかもしれない。
もう一着の方はとても気にいってもらえたようで、丁寧にたたんでいた。
クローゼットに入れると忘れてしまうだろうから、カラーボックスに入れておいた。

あっという間に面会時間は終了だ。
「時間ですよ」とストップがかかるわけではないが、スタッフさんは忙しいから迷惑はかけられない。
それに、すでに同じ話を何度も繰り返している。
「また来るからな」「また来てな」と玄関で見送ってもらった。

二日酔いだということはバレなかったようだ。






↑後半の失っていた記憶を映像で見せられてクリックしてね。




弱り目
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[ 2023/11/20 06:58 ] 身内のこと | TB(0) | CM(3)

顔を見たり見せたりしに

先日、母のいる施設から「預り金が少なくなったので」と連絡があった。
預かり金とは、母が必要なものを実費で買うための現金だ。
日曜にそれを持って行くついでに、母との面会を予約した。

まずは実家に行き、雨戸を開けて風通しをする。
予約時間まで余裕があったので、仏壇に線香を立てて、10分だけ草取りをすることにした。
かなりの背丈になった雑草もあるし、植木はツル性のものに覆われてしまっている。
草の伸びない冬の間に一度きれいに始末したい。

10分のアラームが鳴ったので切り上げることにした。
本格的にやるときにはそれなりの衣装が必要だ。
家に入って手を洗って出かける用意をした。
玄関の鍵は掛けるけど、窓なんかは開けっぱなしだ。

15分で施設に着く。
母が食堂で日向ぼっこをしているのが見えた。
熱を測って来客簿に名前を書いていると、スタッフさんが母を連れて来てくれた。
母は私を見つけると「あ、あんた、来てくれたん?」とまだ覚えてくれているようだ。
お金と買ってきたおやつをスタッフさんに渡し、母の部屋に行く。

部屋では母がベッドに腰かけ、私がイス、ちづるは本来足を乗せる台に座る。
畑や間引き菜の写真を見せると、農家出身なので興味はあるようだが、
「畑やっとるんか」と、私が採ったダイコンやサトイモを食べたことは覚えていないらしい。
とはいえ、前回と会話の様子も一緒で、認知症が進行しているような感じはしない。

以前ケアマネさんと話していて、ちょうどいいぐらいのボケ方だという意見で一致した。
実家のことは忘れてしまっているので「帰りたい」とは言わないし、
小学生ぐらいの子供たちが部屋に遊びに来ると思っているので、寂しくないらしい。
心配事も不満もなく、ここを気に入って暮らしているようだ。

ちづるが髪を梳いてやり、私が髭を剃ってやって、そろそろお時間となった。
帰りにスタッフさんに挨拶すると、母は「子供らが来てくれた」と私たちを紹介してくれた。
それを覚えてくれてたらいいや。
次回は綿入れを持って行ってやろう。





↑近くの食堂でお昼を食べてから戸締りして帰宅したよクリックしてね。





顔は
[ 2023/10/30 06:53 ] 身内のこと | TB(0) | CM(4)

思っているより遅くなる

世の中は山の日でお休みだが、我が家では和尚さんが来てくれる日だ。
正式には『棚経』というらしいのだが、棚卸しを思い出すのでやめてもらいたい。
ともかく10時半に和尚さんが来る前に、実家の風通しや掃除をしなくてはならない。
9時に家を出ることにしよう。

和尚さんがいる時間は短いから、そのあと母のいる施設に行こう。
届け物があるので、ついでに面会の予約を取った。
最近またコロナが増えてきているというので予約制で15分と決められてしまった。
棚経が終わったら戸締りをして弟一家とは解散。
ちょっと手土産を買って施設に向かう、という段取りだ。

和尚さんが帰り、家の奥から戸締りをしていく。
最後が仏壇のある玄関横の部屋、ここを閉めたら出発できる。
のだが、困ったことに和尚さんが付けていった線香がまだ立ち消えていない。
火の気があるうちは帰れないし、故意に消すというのは先祖に怒られそうな気がする。
まだそんなにあわてる時間でもないので、消えるまで弟たちと歓談しよう。


途中で寄ったスーパーが混雑していて、施設に着くのが正午前になってしまった。
車を停めてガラス張りの食堂を見ると、母がもう食事をしている。
正午から1時間は面会時間ではないので、届け物だけ渡して、遠目に母の姿を見て帰ろう。
受付をして、スタッフの人と話していると、シルバーカーを押した母が通りかかった。
スタッフさんが呼んでくれたのかと思いきや、食事が終わったらしい。
サインしなければならない書類があるというので、母の部屋で面会させてもらえることになった。

「こんな所までよく来てくれたねえ」
「ここまで来るのにかなり時間かかったやろ」
「帰りに乗せてって」

と会話はいつも通りの繰り返しだが、調子はよさそうだ。
こちらから訊いても、特に欲しいものもないという。
ちょっと心配だったのは、テレビのリモコンがどこにも見当たらないことと、
ティッシュの箱の上面がちぎり取られていることぐらいだ。

帰る時間になったので母と一緒に部屋を出る。
母は私たちを玄関で見送ろうとしてくれるが、みんながいる食堂に誘導する。
私とちづるが外に出ると、スタッフさんが母を食堂の窓際に連れて来てくれた。
こちらが手を振ると母も大きく手を振って返してくれる。
ガラス戸を開けようとしてスタッフさんに制止されている。

車を出すとき、なるべくそちらの近くまでバックさせた。
運転席からは見えないが、ちづるが窓から手を振る。

「こっちに気付いた?」

「気付いた、知らんおっさんも手を振ってくれた」

ありがたいことや。






↑雨でなくてよかったよクリックしてね。




時計
[ 2023/08/12 07:09 ] 身内のこと | TB(0) | CM(2)

乾杯しない四日間

実はこの一週間で我が家には大きな出来事があった。
ちづるが胆石の手術を受けたのだ。
おっと、ご心配には及びません。
お医者さんは「いつかせにゃならんからやっときましょか」ぐらいのノリで、
手術は、納豆についてるからしを袋に穴をあけて出すぐらいのことだから。

最初は三連休明けの18日に入院予定だったのだが、
ともかく連休明けは仕事がたくさんある上に、本社のN岡が地元の祭りで、
元上司Tが白内障の手術で休むので応援を出せないと言われ、
二日ずらして20日の木曜に入院となった。

入院は午後2時ということで、午前中は出勤。
帰りに警察署に寄って免許更新の申請をして帰宅。
ちづるを連れて病院へ向かう。
手続きをして病室に納まり、先生の説明を受け、たくさん書類にサインしてこの日は終わり。
最近コロナが増えているような話だからだろうか、なるべく早く帰るように圧を感じた。

帰りにスーパーでカツオのたたきなどを買って帰宅。
まだまだ時間が早いので、庭の砂利敷きの続きをした。
で、夜はカツオのたたきで、一人プレバトだ。

翌日は朝一番の手術だというので、8時半ごろ家を出た。
ちづるが徒歩で手術室に行くときちょっと会ったが、あとはひたすら待ち時間。
2割しか読んでなかった本を読み終わってしまった。
手術が終わったのはお昼ごろで、ちょっと面会したら追い出されてしまった。

帰宅してそうめんでお昼。
録画の落語を何本か見て仮眠し、夕方畑の水やりに行った。
「急変があるかもしれないのでスマホを肌身離さずに」
なんて言われていたので休肝日にした。

翌日土曜は朝から畑。
昼はそうめんで、夕方飲みに行った。
そのせいで日曜日はダウン。

で、月曜日、いったん出勤して9時半に病院に行く。
退院だ。
コンビニに寄って帰宅、それからまた会社に戻った。

こうして臨時一人暮らしは私の誕生日で幕を閉じた。
洗濯も2回したし、洗い物も残しておかなかったのだけど、
「どうして採れた胆石の写真を撮らなかった」
とちづるにとても怒られた。






↑待ちすぎて不健康になるわクリックしてね。




乾く
[ 2023/07/25 06:54 ] 身内のこと | TB(0) | CM(4)

一か月のご無沙汰でした

母は施設に入所したが、月に一度の通院は私が連れて行くことになっていた。
いや、二回に一回は血圧手帳を見せて薬をもらってくるだけだから、
実質は2カ月に一度の通院だ。
この8日の土曜は、私が薬をもらいに行く日だった。

数日前、施設から電話がかかってきた。
母の右手がしびれているようなので、先生の往診で診てもらいたいという。
かかりつけの先生は2週間に一度、この施設に往診に来ているのだ。
それはもうぜひ診てもらいたい。

結局母のしびれは、イスやベッドで同じ方ばかりに体重をかけているのが原因だったらしい。
これをきっかけに、なんだかんだで母も往診を受けることになった。
つまり、私が病院に連れて行ったり、薬をもらいに行ったりしなくていいようになったのだ。
たまには外出したり、実家に戻ったりするのもいいかと通院にしていたのだが、
先月実家に戻った時もピンと来てなかったみたいだし、外出は別で考えることにした。

診察を施設にお願いすることになったので、いろいろ届けなければならないものがある。
保険証に診察券にお薬手帳に健康手帳。
医療費も払ってもらったので預かり金も少なくなったようだ。
なので、結局この土曜は施設に行った。


火曜と土曜は、母は隣接するデイサービスに行く。
まずは施設の方へ行って渡すものを渡すと、いくつかサインが必要な書類があるという。
用意ができるまで、デイサービスの方へ行って母に会うことになった。
今月は畑が忙しかったし、弟が何度か行ってくれたので顔を合わせるのは一か月ぶりだ。

何かの作業をしている大きなテーブルの向こうに母の姿を見つけた。
すると母もすぐに気がついて手をあげてくれた。
なんと、マスクをしている私がわかったのだ。
すぐにシルバーカーを押してこちらに移動してくる。

「ようこんな所まで来てくれたねえ」

手のしびれは取れたようで、足のむくみもなくなり、膝も楽になっているという。
先月私が病院に連れて行ったときの血液検査の結果も上々だ。
何枚かの書類に私がサインしているときもニコニコと機嫌がいい。
サインをし終わったころには、昼食の時間が迫っていた。
「あんたらも食べてくか」と言われたがそういうわけにはいかない。

「また来るでな」と手を振ってお別れだ。
元気なのと、私たちを覚えてくれていたので一安心二安心だ。
さて、次に会うのはいつになることだろう。
あまり頻繁に来ると嫌がられそうだし、来ないと冷たい家族と思われそうで心配だ。
だから今回のように、なにか来なければならない用事ができてもらいたい。






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翻訳
[ 2023/07/10 06:59 ] 身内のこと | TB(0) | CM(3)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


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