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忘れ去られていた土曜

朝、出勤したら小柄子ちゃんにこう言われた。

「こみさん、今度の土曜は出勤やけど、覚えとる?」

「なにぃ~、出勤やと~」

「年に一度の掃除の日よ」

「なにぃ~、掃除の日やと~」


わが社の出勤形態は、月に一度土曜出勤があるということになっている。
本社では半日出勤を月二回の二交代制で、土曜は半日営業している。
私のいる店舗では、一般のお客さんも来るのでそういうやり方は無理だ。
以前は交代制で、月に二回店を開けていたのだが、
今の人数でやると昼休みもとれないことになってしまう。

で、すったもんだの挙句、月に一回有休を使って土曜は休み、となった。
会社からそれを命令はできないらしいのだが、こちらとしたらありがたいシステムだ。
どうせ有休は溜っては消えていくし、年に何回使えと言われるのだ。
私はこの状態に満足している。

が、時々土曜出勤がある。
だから先ほど出勤形態を説明するときに『ほぼ完全週休二日制』と書こうとしてやめたのだ。
〝ほぼ”なら〝完全”ではない。
〝完全”でなくしているのが、年に一度の棚卸し、年末の大掃除、
そしてこの6月の掃除の日、なのだ。

社長はきれい好きの掃除好きで、たまに顔を出しては掃除を始めてこちらが困ったりする。
その社長が、大掃除は年末だけではいかん、と思ってある年からこれが始まった。
それはわからんことではない。
店をやっているのだからガラスは拭いた方がいいし、倉庫の奥もたまにはキレイにしたい。

しかし、小柄子ちゃんはこう言う。

「値上げしたから、値札を付け替えなければならないの」

つまり、掃除の日という名目で出勤はするが、私は値札の付け替えを手伝わされるのだ。
バイトか。
どうせ事務所の連中は、レジやパソコンのやり替えもあるから私は一人ぽっちだ。
そしてそれが終わったら「ついでに飾りつけも」なんて言い出すに決まっている。

そんなことのために出勤して、夏野菜の植え付けや庭の砂利敷きが後回しになるのか。
その次の土曜は、母を病院に連れて行く日なのだ。
おまけに梅雨入りしたし。
平日晴れたら有休とって畑にいこかいな。






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つや出し
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[ 2023/05/30 06:58 ] 納得できん | TB(0) | CM(3)

ABCは知ってても

歯医者の予約は6時半だったので、自転車でもいったん帰宅できた。
身だしなみにブレスケアを飲んで歯を磨いたが、服は仕事のままでいいだろう。
6時ちょっと過ぎに家を出て、6時もうちょっと過ぎに到着した。
案外近いものだ。
前回来たときも早く着いたがすぐに呼んでくれたからそんなに待たないでいいだろう。

受付をしてソファで待つ。
荷物を最小限にしたかったので、文庫本は持ってきていない。
本棚があったのでなにか読むものはないかと見てみたが地元タウン誌と歯がらみの絵本ばかりだ。
仕方がないので目の前にある水槽を眺めていることにした。

大きな水槽だった。
長さは1メートル以上あるだろう。
中はジャングルのようにいろんな水草がみっちり茂っていて、ガラスにタニシがくっついていた。
なるほど、あいつにガラス掃除をさせているのだな。
それにしても他に生き物はいないのか。

目を凝らして探してみると、グッピーのような小さな魚が一匹泳いでいた。
いや、エビらしい。
白地に赤い柄のある小さなエビだ。
よく見たらあっちの葉っぱの上にも、こっちのみずくさのすきまにも、
いやいや、まるで蚊柱のようにエビだらけではないか。

なんでさっきまで一匹もいなかったのか。
私に見えていなかっただけなのか、と思ったが、今はちらっと見ただけでエビまみれだとわかる。
これが見えてなかったはずがない。
ははん、わかったぞ、私が入ってきたときに危険を感じて隠れていたな。
そして、そろそろと様子を見ながらでてきたのだ、臆病者めが。

では、名前を呼ばれたら診察室に行くときに驚かせてやろう。
エビがクモの子を散らすように逃げ惑う姿を見てやろう。
と思ってたら、診察の終わった女性がドタバタとやってきてドカンとソファに座った。
と思ったらすぐに名前を呼ばれてビョーンと飛んでいきガランゴロンと帰っていった。
エビはそのままいる。

私は今の女性よりは静かに入ってきたという自負がある。
あれで隠れないのなら、なぜ私の時に隠れていたのか。
そうか、あの女性が待ち時間に水槽を覗いたのだろう。
で、その影におびえたエビどもは隠れてしまっていたのだ。
私が来たときは、やつらがそろりそろりと出てきたところだったのだ。

ちょうど私の名前が呼ばれたので、水槽に直進して脅かしてやった。
でもエビはそのままいる。
診察が終わって戻って来てもそのままいる。
あちらこちらにいっぱいいる。
なんで最初いなかったのだ!





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おうむ
[ 2023/05/19 06:50 ] 納得できん | TB(0) | CM(5)

のんきな離れ島

N岡が本社に異動になって間もなくひと月が過ぎようとしている。
若店長はがんばっているが、まだまだ分からないことも多くて苦労しているようだ。

しかしN岡が本社に行って良いこともあった。
本社の方でも配置換えがあって、О川が配達メンバーに入ったのだ。
彼はもともと合併前からの同僚でなじみがあるし、なにより段取りが良くて仕事が早い。
今までの配達の人たちの段取りは彼がしていたのだそうだ。
久しぶりにこちらに来たときは「やっぱり外は良い~」と浮かれていた。


昨日はずいぶん久しぶりの大雨が降った。
会社に行くとこの嵐のせいか、店の入り口前にはなにやら吹き飛ばされた松の葉が散らばっていた。
と思っていたら、これが何と大繁殖したミミズのような生き物だ。
早番メンバー総出で、バケツの水で流したり、薬を撒いたりと大騒動だった。
裏に川やら畑やらがあるので、時々生き物が現れる。


夕方、事務所に集まるように言われたので行ってみた。
お得意のパン屋さんが金曜日にワゴン車で売りに来てくれるのだが、
「いつもたくさん買ってくれるから」と言ってパンをたくさんくれたのだそうだ。
ちょうどお客さんが途切れたところでじゃんけん大会だ。

6人が一斉に「最初はグー」
これで決まるのかと思いきや最初の「あいこでしょ」で勝ち負けが分かれた。
なんと私は1等賞になってパンを2個選ぶ権利を与えられた。
夕方の空腹時間帯なので、カツサンド的なのとあんバター的なのをもらった。


さて、このように和気あいあいとした居心地の良い職場なのだが、
4月いっぱいで、若店長の奥さんが他部門に異動することになった。
人の補充はなく、一人減るだけだ。
その穴埋めは「その分仕事を減らす」と社長は言っているようだ。
「ホントに減るのか」と我々は疑っている。
若店長が親子げんかしてこい、と思っている。

私の仕事はあまり変わらない。






↑わたしゃレジはできませんと言ってあるのでクリックしてね。




島
[ 2023/03/24 06:23 ] 納得できん | TB(0) | CM(4)

春は変化の季節

2月いっぱいでN岡が本社に異動になる。
気がつけばあと出勤日は3日しかない。
えらいこっちゃ。

昨年3月で前店長が退社し、そのあとの店長候補として本社から来たのがN岡だ。
いろいろめんどくさい引継ぎをしてたくさん覚えさせられたと言っていた。
そこへ、大手で修業していた社長の息子が戻ってきて、店長になることになった。

これはどうやら本社の思惑らしい。
本社の方では機械を使えるN岡がどうしても欲しかったようだ。
N岡自身も、パソコンや接客の仕事よりそちらの方が好きなのだそうだ。

ま、それは仕方がないことなのだが、
社長の息子の奥さんも、日時はまだ不明だが別部門に行くことになったらしい。
以前店に居たSちゃんが退職するのでその代わりだということだ。

ということは、ウチの店はトータルで一人減ることになる。
しかも店長が新人だ。
今までも女子たちは大忙しだったのに大丈夫なのか。


さらに、本社で用意していたネット販売の荷物を、こちらで作るようにしたいらしい。
つまり、私がやるのだ。
なんてこった、どれだけ異動や変化があっても、私だけは安泰だと思っていたのに。
ひょっとしたらその態度にヒマそうな感じが出ていたのだろうか。

とはいえ人が減り、仕事が増えたのではたまらない。
で、社長が言うのは、在庫の種類を減らし、簡素化させればいいということだ。
簡単に言うけれど、パソコンの在庫帳や値段票は全部やり替えなければならないし、
お客さんにも説明する必要が出てくる。
女子たちは途方に暮れている。


そして、私にももう一つ仕事が与えられた。
N岡が移動するにあたり、何かプレゼントをしようというのだ。
女子たちが相談した結果、N岡には酒しかない、ということになった。
しかし、女子たちは酒のことがわからない。
だからおっさん、あんたが買って来て、ということだ。

うおお、私はこういう責任がかかってくることが苦手だ。
とはいえ今まで退職や異動があった時は彼女たちがなんとかしてくれていた。
お花や甘いものを用意してくれて、私は自分の分を払うだけだったのだ。

今度の日曜には買いに行かなければならない。
なので今、バレないように世間話を装って、N岡の好みを探っているところだ。





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根を張る
[ 2023/02/23 07:11 ] 納得できん | TB(0) | CM(2)

おっさんがやりたまえ

あ~あ、土曜日なのに棚卸しで出勤だ。
そのせいで昨日は金曜だというのに買い物をして実家に行った。
畑のキュウリやオクラを片付けることもできない。
しかも、棚卸し自体はもう終わっているのだ。
だけど年間予定で決まっている全社出勤なのだから仕方ない。

昨日「明日はなにをするかねえ」と小柄子ちゃんにボヤいてみた。
すると彼女は「忘れたの?」とびっくりしたような顔をする。
何かこの日に私に決められた仕事があっただろうか。

「モミジを貼るのよ」

あー、そういえばそんなことをさせられたことがある。
我々店舗部は、お客さんの来ないこの日に店の模様替えを行うのだった。
月曜からは秋バージョンになる。
で、私は、正面ガラス一面に、手製の紅葉をレイアウトしてセロテープで貼る役目だ。


仕事というのは耳触りも大切だ。
「プレゼンの資料を用意したまえ」とか、
「リサーチの結果を報告したまえ」なんてのはなんだかカッコイイが、
「モミジを貼りたまえ」ってのは仕事のような感じがしない。

そういえば、店の模様替えでかき氷型の巨大フーセンを膨らませる仕事をされられて、
ここに愚痴を書いたことがあったはずだ。
秋バージョンに模様替え、ってことは、あのフーセンの空気抜きも今日ではないのか。
なんてやりがいのない耳触りの仕事なのだ。
その上に、実は案外疲れるのだから不愉快だ。


そういえば、普段から何となく気合の入らない仕事がある。
例えば、インターネットの注文でかき氷のシロップを送ることがある。
『イチゴシロップを送る』という仕事は、紙屋の仕事なのだろうか。
私はバサバサした商品には慣れているが、たぷんたぷんする者には慣れていない。

店の商品が売れると補充するのは女子の仕事だ。
しかし、ものによっては棚の高いところにあったり、重かったりして、
私が頼まれることも多い。

「こみさん、スーパーボールの当てもの出してくださーい」

「こみさん、アヒルちゃんの大きい方出しといてー」

「こみさん、ピカピカ金魚を三つお願いしまーす」

なんそれ。





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寝過ごす
[ 2022/08/27 07:04 ] 納得できん | TB(0) | CM(7)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


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