おかげさまでウチのお店はなかなか繁盛しているようだ。
昨日は百円ワゴンだけで2千円以上の買い物してくれた人がいて、
あわててメモや封筒を補充した。
あんまりお客さんが多いと、私も荷物運びにかり出される。
箱単位で買われると女子では運べないものもあるのだ。
私が大きな荷物を台車に乗せてお客さんの車まで運んでいた時のこと、
一人のおっさんが自転車でやって来た。
お客さんなんだからおっさんなどといってはいけないが、
この行動がどうも不審なのだ。
建物の角にしゃがんで何かしている。
まるでアスファルトに「の」の字を書いているような動きだ。
ははん、これはタバコをにじり消しているな。
私はお客さんの荷物を積み込んだ後、確認に行ってみた。
するとそこには確かにタバコが一本。
しかし、それは吸い殻ではなく、ほんのちょっと吸っただけで丁寧に消してあり、
捨てたというより置いてある感じだ。
ひょっとして、もう一度吸うのか!
いったいどういうことなんだろう。
こんなところに置いてまでまた吸うなんて、ケチなのだろうか。
いや、まだ吸いかけたばかりなんだから、しまり屋というべきか。
もったいないと思う貧乏性なのだろうか。
それよりタバコの状態を見ると、店の手前に来てタバコに火を点けたことになる。
無計画な人なのか。
あるいは、そんなことなど考えない本能で行動する人か。
それとも、突然紙屋に入ろうと考えた衝動的な人なのか。
だとして、吸いかけのタバコを地べたに置いておくなんて、いいかげんな人ではないか。
それともいつもこんな感じのワイルドな人なのか。
「それも良かろう」なんて考える風流な人なのか。
人にどう見られようが平気な世捨て人か。
店にくわえタバコで入らないのだから、常識のある人なのか。
人に迷惑をかけまいと考えるやさしい人か。
いや、吸い終わるまで我慢できない短気な人なのだろうか。
今日だけそんな気持ちになったアンニュイな人なのだろうか。
でも、結局はタバコをやめられない意思の弱い人なのではないか。
奥さんには「タバコやめた」と言って外で吸っている優柔不断な人じゃないか。
店から出てきてこのタバコが無くなっていたらやめると誓った、ギャンブラーか。
そのタイミングででも吸わずにいられない、タバコでない薬物の中毒者か。
それにしても、タバコの消し方、置き方が丁寧だ。
几帳面な人なのだろうか。
そういう親の遺言を守っている律儀な人なのか。
こうじゃなきゃならんと決めている頑固な人なのか。
タバコは壁に向かって直角に置かれていたが、
実は宗教的な何かの戒律を順守している厳格な人なのだろうか。
通りがかりに他人に見えない何かが見えて供養してくれた霊感の強い人か。
「ここはいかん!」と感じて結界を張ってくれた霊能者なのか。
その人が帰るところは目撃することができなかった。
もうどのような人なのか知ることはできない。
↑謎があってもクリックしてね。
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謎の人物が一人増えたのね。
追加
再生できますかね?
http://nviewer.mobi/player?video_id=nm11937892